かつて宮崎の宿泊エリアは、中心街のビジネス街と、一ツ葉海岸に広がる大型リゾートという明確な二極化を見せていた。しかし今、その境界線が溶け出しつつある。
「今年に入ってから、平日でも満室になる日が増えました」。橘通の老舗ホテルでフロントに立つスタッフは、そう実感を込めて語る。特に変化が著しいのは客層だ。かつて主流だったビジネス利用や団体ツアーに代わり、個人のクリエイター層やカップル、海外からの個人旅行客(FIT)が目立つ。背景にあるのは、中心街に相次いで参入したデザイン系ホテルの存在だ。コンパクトながら高品質なベッドと洗練されたラウンジを備えた施設が、20代から40代の旅慣れた層を強力に引き寄せている。
一方で、シーガイア周辺の大型リゾートも指をくわえているわけではない。全室オーシャンビューを誇るプレミアム棟の全面改修を終え、滞在型ウェルネスプログラムを拡充。一泊10万円を超える高価格帯でありながら、週末を中心に数ヶ月先まで予約が埋まる盛況ぶりだ。価格の二極化が進む一方で、それぞれのターゲットに対する満足度は確実に向上している。