ネット上のまとめ記事や古いブログでは、現在も「聖徳記念絵画館前の広場が絶好の無料鑑賞スポット」「神宮外苑周辺の道路脇でレジャーシートを広げて乾杯」といった情報が散見されます。しかし、これらの情報を信じて現地へ向かうと、警備員や警察官による厳しい誘導で排除され、花火を一目も見られないまま立ち去ることになります。
最大の要因は、数年前から段階的に進行している神宮外苑再開発工事の影響です。外苑一帯では解体・造成・新施設建設に伴う仮囲い(工事フェンス)が各所に張り巡らされており、従来のような広い視界が確保できるフリースペースは激減しました。通路の幅員も工事用バリケードによって狭小化しているため、雑踏事故(群衆雪崩)を未然に防ぐ観点から、警視庁および大会警備本部は「立ち止まり絶対禁止」の厳戒態勢を敷いています。
かつて無料で見える場所として重宝された歩道や辻は、すべて「滞留禁止の動線路」に指定されており、警備員から「歩き続けてください」と絶え間なくスピーカーで警告されます。歩きながらビルとビルの隙間に一瞬花火を垣間見ることはできても、落ち着いて鑑賞することは物理的に不可能です。「外苑に行けばどこかしらタダで見られるだろう」という甘い見通しは、2026年の神宮外苑においては完全に通用しない盲点であることを肝に銘じておく必要があります。
また、お祭り気分を盛り上げる屋台出店場所と営業時間についても大きな誤解があります。一般的な下町の花火大会のように「沿道に見渡す限りの露店が並ぶ」という光景は神宮外苑にはありません。基本的に飲食ブースや協賛企業による屋台は、神宮球場や秩父宮ラグビー場の有料敷地内を中心に出店されます。敷地外の一般道では露店営業が厳格に禁止されており、買い出しは周辺のコンビニエンスストアに頼らざるを得ません。そのコンビニも夕方以降は入店制限の長蛇の列となり、おにぎりや飲料が棚から消滅するため、飲食物は現地到着前に自宅や乗換駅周辺で買い揃えておくのが鉄則です。