通りを一歩進むと、時間の感覚が狂う。創業数十年の老舗おもちゃ店から子供たちの笑い声が聞こえるすぐ隣で、スマートフォン決済専用の無人量り売りオーガニックスペースが営業している。この極端な対比こそが、現在のこのエリアを象徴する風景だ。古いものを排除するのではなく、互いにリスペクトを持ちながら隣り合う。そんな絶妙なバランスが保たれている。
「最初は戸惑いましたよ」と語るのは、近隣で長年カフェを営む店主だ。だが、新しい店が呼び込む若い客層が、結果として古い店にも足を運ぶ循環が生まれているという。新旧の化学反応が、街の寿命を延ばしている。