桔梗ヶ原といえば、日本有数のワイン産地としてその名を知られる。この恵まれた地域資源を教育の核に据えているのが、同校最大の強みだ。敷地内に本格的な葡萄畑と醸造施設を構え、栽培から収穫、醸造、ラベルデザイン、販売に至る全行程を生徒自身が手掛ける「志学館ワイン」のプロジェクトは、もはや単なる学校実習の域を完全に超えている。
2026年秋の仕込み現場を取材した。ブドウの糖度と酸度の絶妙なバランスを見極める生徒たちの視線は、プロの醸造家さながらの鋭さだ。近年の地球温暖化による気候変化に対応するため、地元ワイナリーの技術者と連携しながら気象データの解析にも取り組む。自分たちが汗を流して育てた葡萄が一本のボトルとなり、地域イベントや地元の道の駅で即完売する体験は、生徒たちに計り知れない自信と実感が伴う「働く喜び」を教え込んでいる。