内山地区の古い町並みを歩くと、行列を作る小さなショップが目を引く。20代から30代の若手作家たちが手掛ける新しい有田焼のブースだ。彼らの作る器には、かつてのような絢爛豪華な花鳥風月は描かれていない。代わりに並ぶのは、現代の食卓やインテリアに溶け込むマットな質感、そして北欧デザインを思わせるミニマルな造形美である。
電子レンジや食洗機に対応した実用性を備えつつ、手に取った時の重みや唇に触れるフチの厚みには妥協がない。価格帯も手頃で、1客3,000円から5,000円程度。高価な観賞用から「毎日を少し豊かにする道具」へ。有田のDNAを守りながらも、若手たちの感性が新しい顧客層を切り拓いている。