1970年代生まれの平子理沙が同世代のモデルと一線を画していた最大の理由は、少女時代をロサンゼルスで過ごしたという稀有なバックグラウンドにある。日米の文化を自在に行き来する中で磨かれた色彩感覚やスタイリングは、当時の日本の典型的なコンサバ系モデル像とは根本的に異なっていた。
19歳でグランプリを受賞して本格デビューを果たした直後、カメラの前に立つ彼女が見せたのは、作られた笑顔ではなく、どこか自由で自然体なアメリカン・カジュアルの空気感だった。ブロンズがかったヘアスタイルやナチュラルなメイクは、従来のファッション誌に新鮮な風を吹き込み、若者たちの憧れの的となったのだ。