書類送検された事実が、勤務先の会社や家族に知られてしまうのかという点も深刻な問題です。
警察や検察が、私企業の勤務先へ自発的に「従業員を書類送検した」と通報することは基本的にありません。業務上横領や会社の機密漏洩、業務中の重大事故など会社自体が事件に関与している場合を除き、捜査機関から職場へ直接連絡が入る可能性は極めて低いのが実情です。
ただし、以下のルートから周囲に知られるリスクが存在します。
1. マスメディアによる実名報道
実名報道がなされると、ネットニュースやSNSを通じて瞬時に職場や知人へ拡散します。報道各社の実名報道基準は主に「事件の重大性(被害額や死傷の程度)」「被疑者の社会的立場(公務員、上場企業役員、著名人など)」「事件の社会的関心の高さ」で判断されます。一般人が起こした軽微な事件や過失事故であれば、実名報道される確率は抑えられます。
2. 会社の就業規則と解雇の有効性
万が一会社に知られた場合、即座に解雇されるかといえば、労働法上そう単純ではありません。単に書類送検された(捜査を受けている)だけの段階で懲戒解雇を行うことは、客観的合理性と社会通念上の相当性を欠き「不当解雇」と判断される可能性が高いです。しかし、起訴されて有罪が確定した場合や、企業の信用を著しく失墜させた場合には、就業規則に基づく懲戒処分や諭旨解雇の対象となり得ます。