大通りから一本入った住宅街。ナビを頼りに車を走らせても、一瞬通り過ぎてしまいそうなほど街並みに溶け込んでいる。それにもかかわらず、昼時ともなれば店の前には色とりどりのレンタカーや地元のナンバープレートを付けた車が列をなす。
奇を衒(てら)った装飾は一切ない。壁に飾られた色褪せたサイン色紙や、長年愛されてきたことがひと目でわかるテーブルの質感が、この店の歴史を雄弁に物語る。多くの観光客が「本当の沖縄の味」を求めて沖縄本島を奔走する中、この食堂は創業当時から変わらぬ姿勢で、訪れるすべての人を温かく迎え入れてきた。