京橋の試写室で上映されてきたのは、大ヒットを狙うハリウッドの大作映画だけではない。世界各地の映画祭で評価された単館系のアートハウス作品や、若手監督による実験的なインディペンデント映画も数多くスクリーンに投影されてきた。配給会社が熱意を持って持ち込んだ小さな作品が、試写室で口コミを呼び、やがて全国の劇場へと広がり大ヒットを記録した例は数知れない。
多様な映画文化が芽吹き、多様な価値観が認められるための「インキュベーター(孵化器)」としての役割を試写室は果たしてきた。マーケティングデータだけでは測れない映画の「熱量」を最初に見極める場所として、この空間が存在していたことの意味は極めて大きい。