海外ニュースを見ていると、「ハリケーン・ミルトン」や「ハリケーン・アイリーン」のように人名で呼ばれる熱帯暴風雨を目にする。大西洋や東太平洋で発生するハリケーンの命名ルールは、アジアの台風とは根本的に異なる。
アメリカの国立ハリケーンセンター(NHC)が管理するリストは、アルファベット順に男性名と女性名が交互に配置された人名リストだ。かつては女性名のみが使われていた時代もあったが、ジェンダー平等の観点から1970年代末に男性名も導入された歴史を持つ。
一方、太平洋上で発生する台風に対して、米海軍・空軍合同台風警報センター(JTWC)が独自に識別符号を付与することもあるが、国際社会における公式な「アジア名」の決定権はあくまで気象庁を含むWMO台風委員会にある。日本国内では気象庁の「台風第◯号」という番号報道が圧倒的に主流であるため、国際名が前面に出る機会は限定的だが、グローバルな気象ネットワークにおいてはこのアジア名こそが唯一無二の共通言語として機能している。