この地域を語るうえで、鉄道の歴史を外すことはできない。かつてJR西日本の要所として数々の車両を見守ってきた旧松任工場の存在は、長年にわたりこの街を「鉄道文化の聖地」として位置づけてきた。工場が歴史的役割を終えた今も、そのモノづくりの精神は街の随所に色濃く受け継がれている。
駅前に誇らしげに鎮座するSL「D51 822号機」は、今や単なる展示物ではなく地域コミュニティのシンボルだ。休日になればカメラを構える鉄道ファンの姿はもちろん、地元のボランティアが子供たちに鉄道の歴史を語り聞かせる風景があちこちで見られる。過去の遺産を大切に守りながら、新たな街のアイデンティティへと昇華させる取り組みが実を結んでいる。