「ハット」という言葉には、日本国内でふたつの大きな文脈が存在する。ひとつは、8月10日の語呂合わせ(8=ハ、10=ット)から制定された全日本帽子協会主導の「帽子の日」。もうひとつは、同日にあわせて毎年大感謝祭を展開するピザハットのブランド展開だ。
興味深いのは、ピザハットの「Hut」が英語で「小屋」を意味する点だろう。ロゴマークに描かれているのも帽子ではなく、赤い屋根の小屋である。しかし、日本市場における語呂合わせの親和性と親しみやすさを優先し、あえて「ハット」の響きを全面に押し出したブランディングが定着した。この絶妙な勘違いと遊び心が、数十年をかけて一大商業イベントへと昇華したのだ。