キノコの毒性は消化器系への刺激にとどまらず、多臓器不全や皮膚障害を引き起こす極めて危険な物質を含んでいます。特に近隣の里山や公園のナラ枯れエリアで目撃情報が急増しているのがカエンタケです。
赤く燃え盛る炎のような指状の形状をしたカエンタケは、トリコテセン類と呼ばれる猛毒を含有しています。最大の特徴は、経口摂取しなくても「触れただけで皮膚がただれ、激しい炎症を起こす」点です。万が一誤食した場合のカエンタケの中毒症状は凄まじく、数十分で発熱、悪寒、嘔吐、下痢が始まり、その後は消化管のびらん、脳障害、多臓器不全、脱毛、皮膚の剥離へと進行し、死に至るか重篤な後遺症を残します。
また、純白の美しい姿から「死の天使(Destroying Angel)」の異名を持つのがドクツルタケの猛毒です。アマトキシン類を含む本種は、1本食べただけで成人の致死量に達します。さらに、童話やアニメのモチーフとして有名なベニテングタケの毒性には、イボテン酸やムッシモールといった神経毒成分が含まれており、強い旨味成分を感じさせる一方で、幻覚、痙攣、意識混濁などの重篤な精神神経症状を引き起こします。