週末の夕刻、メインスタンドの一角には独特の緊張感が漂う。ストップウォッチを手にした強豪大学の監督やコーチ陣がズラリと居並ぶ姿は、もはやおなじみの光景だ。狙いは高校生ランナーの発掘と、ライバル校の戦力分析である。
「単に速いタイムを出すことと、プレッシャーのかかる日体大の組で勝ち切ることはまったく別物」と、ある関東大学陸上競技連盟の関係者は明かす。ラスト400メートルでのスパート合戦を制する勝負強さがあるか。集団が崩れたときに自力でペースを維持できるか。スカウト陣は画面上の数字だけでなく、ランナーの着地姿勢や呼吸の乱れ、そして勝負どころでの目つきをじっと観察している。