かつての無心といえば、実家の親や兄弟から泥臭く現金を無心される姿が一般的だった。しかし2026年の今、その手法はデジタルツールを介して巧妙に姿を変えている。アプリ決済や送金サービスの普及により、対面での気まずさを回避しながら「ボタン一つで送金してほしい」と要求するハードルが激減した。
最近目立つのは、SNSで知り合った「自称・友人」や、マッチングアプリで出会ったパートナーからの無心だ。「事故に遭った」「投資の支払いが間に合わない」といった緊迫した状況をでっち上げ、送金を急かす。相手の誠実さや恋愛感情を人質に取るこの手法は、被害者の心理的視野を狭め、冷静な判断を奪い去っていく。