通信品質の劇的な改善を後押しした背景には、単なる基地局の増設だけでなく、ネットワーク運用における徹底した自動化がある。楽天モバイルが世界に先駆けて導入した仮想化ネットワークは、ソフトウエアのアップデートのみで基地局の機能拡張やトラフィック制御を可能にする。
2026年の現場では、通信障害の兆候検知から復旧、さらには電波干渉の調整に至るまで、自社開発されたAIアルゴリズムがリアルタイムで判断を下している。人間の運用オペレーターを極限まで減らしたこの「ゼロタッチ運用」により、基地局1局あたりの維持管理コストは大手既存キャリアの数分の一にまで圧縮された。インフラの品質向上と極限の低コスト構造。この相反する二つの要素を成立させたことこそが、同社の真の強みと言える。