歴史小説や漢文を読んでいるとき、「一里」の距離感に違和感を覚えた経験はないだろうか。実は、中国における「一里(市里)」は現在約500メートル(0.5km)であり、日本の約3.93kmとは大きく異なる。周や秦の古代中国まで遡れば1里は300メートル〜400メートル程度であり、時代や地域によってその尺度は激しく変動してきた。
日本でも平安時代以前は中国の影響を受けた「小里(約530m)」が使われていた時期がある。しかし、織田信長や豊臣秀吉の時代を経て江戸幕府が大改定を断行、「6丁=1里」だった各地のローカルルールを「36町=1里」へ統合拡張した。この歴史的経緯を知らないと、中国の故事「千里の道も一歩から」が日本基準では約4,000キロメートル(東京からバンコクまでの直線距離に相当)という果てしない大長征になってしまうという笑い話が生まれる。