主人公のちいかわ、言葉を巧みに操るハチワレ、テンションが高く奇声を発するうさぎ。この中心トリオの友情の描き方は極めて秀逸だ。ちいかわの気弱さや不器用さをハチワレがポジティブに支え、うさぎの予測不能な行動力と圧倒的な強さがピンチを打破する。その相互依存のバランスが実に人間くさい。
さらに見逃せないのが、モモンガ、くりまんじゅう、シーサー、ラッコ、古本屋(カニ)といった周辺キャラクターたちの存在感だ。酒を嗜み労働の後に至福の表情を浮かべるくりまんじゅうや、師匠としての威厳と甘党な一面のギャップを持つラッコなど、それぞれが独自の人生を生きている。誰一人として「背景」で終わらない濃密なキャラクター造形が、群像劇としての面白さを加速させている。