京都といえば祇園や嵐山といった中心部の繁華街に目が向きがちだが、少し足を伸ばした城陽市にこそ、ツウを唸らせる名店がひっそりと、しかし力強く佇んでいる。静寂と活気が心地よく調和する街並みの中で、職人たちが朝早くから蒸籠(せいろう)の湯気を立ち上らせる光景は、古き良き日本の情景そのものだ。
伝統を守り続けることは、決して古いやり方に固執することではない。時代ごとの嗜好の変化を敏感に察知し、砂糖の甘さの調整やもち生地の食感の探求を重ねてきた。地域に根ざしたローカルな存在でありながら、その品質の高さが口コミで広がり、いまや遠方から買い求めに来る顧客が後を絶たない。