時代が平成から令和へと移り変わる中で、野原一家の象徴である「父・野原ひろし」に焦点を当てた傑作が『ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』(2014年)だ。自分を本物の野原ひろしだと信じるロボットと、オリジナルのひろし。二人の「父親」が存在するというSF的設定から、家族とは何か、父親の尊厳とは何かという重厚なテーマが立ち現れる。
腕相撲のシーンで交わされる言葉のない対話は、全国の父親たちの涙腺を崩壊させた。現代社会における「父親像」の揺らぎを先取りしていたかのようなテーマ性は、いま再評価の波が押し寄せている。