競馬ファンを長年悩ませてきたのが「ハズレ馬券の購入費用を経費として差し引けるか」という問題だ。過去の最高裁判決において、ハズレ馬券の経費算入が認められたケースはある。しかし、これは「独自の自動購入ソフトを用い、年間を通じてほぼ全てのレースで機械的・網羅的に馬券を購入し、娯楽の域を超えた営利目的の事業として行っていた」という極めて特殊な事例に限られる。
週末にパドックを見て、自分の予想で楽しむ一般的な競馬ファンの場合、どれだけ高額な投資をしていようとも、ハズレ馬券は経費として認められない。つまり、100万円投資して200万円の払い戻しを得た場合、ハズレ馬券に費やした他の90万円は無視され、当たったレースの購入代金のみが経費となる。この税制の歪みこそが、多くのファンを無自覚な脱税へと追い込む罠になっている。