物語の核をなす「ちいかわ(なんか小さくてかわいいやつ)」は、従来のバトル漫画やファンシーキャラの主人公像を大きく覆す存在だ。基本的に「フヤー!」「ヤダー!」といった叫び声や感嘆声しか発せず、明瞭な言語を話さない。気弱で泣き虫、ピンチに陥るとすぐに涙を流して立ちすくんでしまう。
しかし、彼(彼女)の本質は「弱さの先にある覚悟」にある。恐怖に震えながらも、大切な友達を守るために討伐用のさすまたを握り締め、格上の強敵に立ち向かう。草むしり検定に何度落ちても諦めずに勉強を続ける健気さ。完璧ではないからこそ、不確実な時代を生きる視聴者は自己を投影し、その一歩に熱狂的な声援を送るのだ。