会場に一歩足を踏み入れた瞬間から、空気の振動が明らかに異質だ。ベースの新井和輝が刻む地響きのような低音、勢喜遊の緻密かつ爆発的なドラミング、そして井口理の澄み渡るハイトーンボイスと常田大希の鋭いヴォーカルが交錯する。バンド全体のアンサンブルは、一見カオスでありながら緻密な計算のもとに構築されている。
とりわけ印象的なのは、静と動の強烈なコントラストだ。無音に近い静寂の中で一本の糸のように紡がれるバラードから、一瞬にして爆音と眩烈なライティングが押し寄せる瞬間。観客は息を飲む暇すら与えられず、身体ごと音の波に呑み込まれていく。