縦列駐車を前にすると突然パニックに陥る現象には、明確な認知科学的理由が存在する。前進運転時とは異なり、後退しながら斜め後方の空間へ車体を収める動作は、ドライバーの脳内で「バックミラーの像」「サイドミラーの死角」「実際の車体感覚」という3つの異なる情報を同時に処理することを強いるからだ。
特に日本の道路環境では、路肩に電柱や街路灯が張り出しているケースが珍しくない。後続車が後ろにピタリとついた瞬間、ドライバーの視野は急速に狭まり、「早く収めなければ」という心理的焦りがハンドルの切り遅れや切り過ぎを引き起こす。この負のループこそが、縦列駐車に対する苦手意識を固定化させる最大の元凶なのだ。