埼玉県の気象を複雑にしているもう一つの要因が、西部にそびえる秩父山地と東部平野部の明瞭な地形コントラストだ。2026年の気象観測では、秩父エリアで時間100ミリを超える激しい雨が降っている最中に、さいたま市や川口市では雲ひとつないカンカン照りが続くという「極端な二極化」が相次いで報告された。
相模湾から北上する湿った気流が奥武蔵の山々にぶつかることで強力な積乱雲が次々と発生し、それが東への流出を拒むかのように山麓に停滞する。一方で、山を越えた風は乾燥した熱風となって平野部に吹き下ろす。この地形起因の気象メカニズムが、県内での「雨」と「晴れ」の予測を極めて難しくしている根源である。