2026年夏以降、琵琶湖畔のなぎさ公園周辺に突如現れたのは、高さ約4メートルにも及ぶ遮光フェンスだった。チケットを持たない一般の歩行者が、歩道や路上に立ち止まって花火を鑑賞するのを物理的に遮断するための措置だ。
「滋賀の財産である琵琶湖の景観を覆い隠すのか」「金払いの良し悪しで市民を差別するのか」。激しい非難が巻き起こった。しかし、実行委員会と警察当局には退けない理由があった。
2001年に兵庫県明石市で発生した歩道橋群衆事故の教訓は、警察の安全管理において絶対的な命題だ。JR大津駅や膳所駅から湖岸へと押し寄せる大群衆が路上で立ち止まれば、群衆雪崩や将気倒し事故がいつ起きてもおかしくない。視界を遮り、足を止めさせずに歩かせ続ける――群衆事故を未然に防ぐ手段として、この「壁」の設置は警察の強い要請に基づくものだった。