ヒットアイコンの変遷を振り返ると、時代の気分が鮮明に浮かび上がる。「ちいかわ」に登場する「うさぎ」は、奇声を発しながらも圧倒的な身体能力と自由奔放さでピンチを跳ね返すカタルシスを与えてくれた。一方で「おぱんちゅうさぎ」は、報われない日常の哀愁と惨めさをポップに笑い飛ばす独特の共感を創出してみせた。
共通するのは、圧倒的な「自己投影のしやすさ」だ。SNS時代におけるコンテンツ作りは、完成されたストーリーを鑑賞させるスタイルから、ユーザーが自分の「感情の置き場」を見つける参加型へとシフトした。痛々しくも愛おしい姿に自分を重ね合わせた瞬間、フォロワーは単なるファンを超え、熱狂的な「同好の士」へと変わる。