もっとも、海面に広大な構造物を浮かべる試みに対して、すべての人が諸手を挙げて賛成しているわけではない。陽光が遮られることによる水中の光合成阻害や、局所的な水温変化が及ぼす漁業被害を懸念する地元の声は、今なお根強く残る。
この摩擦を打ち破るべく、水産庁と先端研究チームは2026年春からAI水質モニタリング網を完全稼働させた。フロート下部に特殊な多孔質構造を取り付け、人工藻場や貝類の付着基盤として機能させることで、構造物周辺を「人工の魚礁・幼魚の隠れ家」へと変貌させる実証データが相次いで発表されている。環境を破壊する存在から、生態系を補強する触媒へ——テクノロジーがもたらした発想の転換だ。