豊中市は、大阪市内へのアクセスの良さから子育て世代の転入が絶えないエリアだ。認可保育園の開設ラッシュが続いたここ数年、表面上の「待機児童ゼロ」という成果が強調される一方で、現場の質的担保は置き去りにされてきたきらいがある。2026年現在、全国的な保育士不足の波は同市にも容赦なく押し寄せている。
認可基準という名の「数値上のクリア」を優先するあまり、経験の浅い若手保育士ばかりで構成されたシフトや、園長・主任クラスの離職による指導体制の空洞化が散見されていた。ある元保育士は語る。「国や自治体が定める最低基準そのものが、現場の実情に合っていない。子どもの命を一人で何人も見ながら、大量の事務作業と安全確認を完璧にこなすのは、もはや人間の能力を超えている」。