打上げ場所を湖上の3箇所に分散させる発想は、決して突飛なパフォーマンスではない。背景にあるのは、数年前から全国の都市部イベントを苦しめてきた深刻なオーバーツーリズムと混雑事故のリスクだ。特定エリアに観客が密集することで生じる群衆雪崩や、緊急車両の通行妨害といった最悪のシナリオを回避するため、実行委員会は抜本的な発想の転換を余儀なくされた。
今回の大幅変更により、一箇所あたりの人出を従来の3分の1近くまで平準化することが可能となった。大津の都会的な夜景、草津の広大な水生植物公園沖、そして守山の自然豊かな湖畔テラス。それぞれの景観に合わせた演出が施され、どこから見ても迫力ある大輪が広がる仕掛けとなっている。伝統を未来へ継承するための苦渋の決断は、結果として広大な琵琶湖の地理的アドバンテージを最大限に引き出す結果となった。