甲子園の本大会だけでなく、47都道府県で行われる地方大会の中継環境もまた、激動のさなかにある。かつては地方局の予算都合でベスト8以降しか放送されない地域も多かったが、今や全試合のライブ配信が当たり前の時代となった。
しかし、その裏には配信コストの増大という現実的な課題が横たわる。地方の独立局や通信会社、地元の新聞社が連携し、配信インフラを維持するための模索が続いている。2026年には、ファンからの直接支援を募る「ギフティング(投げ銭)」機能や、地域のスポンサー企業をきめ細かく紹介するデジタル広告枠の導入が本格化した。
「母校の試合をどこにいても応援したい」という卒業生や親保護者の熱い思いが、配信事業を支える原動力となっている。単なるスポーツ中継を超えて、地域コミュニティを繋ぐプラットフォームとしての役割を、地方大会の中継が担い始めているのだ。