館内を進むと、信仰の対象としての歴史が立ち現れる。かつて修験者たちが命を賭して目指した霊峰の記憶。長谷川角行をはじめとする富士講の人々が残した古文書や絵図が、現代の空間と交差する。
隣接する富士山本宮浅間大社との歴史的つながりは、この施設の核心と言っていい。富士山の湧水が沸き立つ湧玉池とセンターの水盤は、目に見えない脈絡で結ばれている。展示を見ることで、単なる自然の山ではなく、千年にわたって日本人の精神的支柱であり続けた神聖な存在としての真価が理解できる。参拝客が施設を訪れ、施設を見た者が浅間大社の社叢へと足を運ぶ良好な循環が生み出されている。