2026年現在の自動車業界において最も注目を集めているのが、次世代バッテリーの本格搭載だ。田原工場の一角に新設された専用アセンブリ棟では、待望の全固体内電池(ソリッドステートバッテリー)の組み込みラインが本格稼働を迎えている。充電時間をわずか10分程度に短縮し、航続距離1,000kmを超える性能を実現するこの夢の電池が、ついに市販車ラインへ流れる。
電池セルのラミネートからモジュール化、そして車体構造との完全統合に至るまで、超クリーンルーム環境下で緻密な制御が行われている。温度や湿度、わずかな粉塵すら許されない過酷な条件下で、超高精度な搬送ロボット群が黙々とセルを配置していく。田原は単なる車両組立工場ではなく、次世代エネルギー技術の社会実装を推し進める「バッテリーモビリティの心臓部」として機能を拡張している。