しかし、すべてが順風満帆なわけではない。現場の沿岸漁業者からは怒りと不安の声が上がる。
「巨大な構造物が海面を覆うことで日照が遮られ、海藻が枯れてしまうのではないか」「長年受け継いできた回遊魚のルートが変わってしまう」——地元漁業協同組合の幹部は渋い表情を隠さない。
一方で、意外な変化も報告されている。浮体の海底部分に貝類や微生物が付着したことで「人工魚礁」として機能し、マダイやキジハタなどの魚影が以前より濃くなった海域も出てきたのだ。一部の地域では、風力事業者から漁協へ売電収入の一部を還元する地域復興基金が設立されるなど、手探りの歩み寄りが続いている。