最も深刻な警戒感が抱かれているのは、北方林(タイガ)の下に眠る「泥炭層」と「永久凍土」への延焼だ。地表の木々が燃え尽きた後も、地中の泥炭は無酸素状態で何ヶ月もくすぶり続ける。これにより、地下深くに数千年にわたって封じ込められていた大量の二酸化炭素やメタンガスが大気中へと一気に放出される。
カナダの森林は本来、巨大な炭素の吸収源として地球の気温安定に寄与してきた。しかし、度重なる大規模火災によって、その森林自体が膨大な温室効果ガスを撒き散らす「排出源」へと転じてしまっている。地球温暖化が火災を呼び、火災が温暖化をさらに加速させるという恐怖のフィードバックループが、今まさに目の前で現実のものとなりつつある。