ブームの陰には、地方の和菓子職人たちの果敢な挑戦がある。八戸市内で長年「うちわ餅」を作り続けてきた老舗餅店は、2026年後半から首都圏の百貨店やイベントへの出店を積極的に展開した。地元だけで消費されていた伝統食を、現代的なブランディングと洗練されたパッケージで再定義したのだ。
「祖父の代から守ってきた味を変えずに、見せ方を変えただけです」と話すのは、地元で三代続く老舗の店主だ。地方の人口減少により伝統技術の継承が危ぶまれる中、都市部での成功は地元の若者たちにとっても大きな希望となっている。地元の農家が育てるえごまの需要も急増しており、和菓子一つが地域の農業経済を力強く牽引し始めている。