かつて「低反発フォーム」といえば、包み込まれるようなフィット感で一世を風靡した。しかし、ここ数年は反発力の強い高反発マットレスが勢力を伸ばし、寝返りの打ちやすさをアピールする広告が街中に溢れている。この潮目の変化に対し、メーカー側も黙って指をくわえていたわけではない。独自のウレタン素材「ヴィスコエラスティック」の改良を進め、温度変化による硬さの変化を抑える最新モデルを投入。沈み込みすぎない絶妙なホールド感の追求へと舵を切った。
睡眠科学の専門家は「体型や骨格、さらには寝返りの頻度によって最適な反発力は全く異なる」と指摘する。体重が軽い人や横向きで寝ることが多い人にとって、身体の凸凹に合わせて滑らかに変形する低反発の特性は依然として強力な選択肢だ。トレンドが目まぐるしく移り変わる中でも、一定の根強い支持を集め続ける背景には、こうした生理学的な必然性がある。