観光客が名前も知らないまま通り過ぎる道端にも、沖縄の本質が息づいている。例えば、白と黄色の小花を無数につけるタチアワユキセンダングサ(シロノセンダングサ)。驚異的な繁殖力で畑を覆い、農家からは厄介者扱いされる外来種だが、島の名産である百花蜜の貴重な蜜源として養蜂家を支えている。善と悪、外来と在来の境界線は、この島では常に流動的だ。
海岸線に目を転じれば、塩分を含んだ強風に晒されながら、肉厚の葉を広げるクサトベラやモンパノキが砂浜をしっかりと抱きとめている。それらは派手な花を咲かせるわけではない。だが、サンゴの砂が風で飛ばされるのを防ぎ、陸地の境界線を維持するという決定的な役割を担っている。
整えられた植物園の温室を抜け出し、名もなき野花がアスファルトの亀裂から顔を出す路地に立ち止まること。そこで目にする植物たちの泥臭く、逞しい呼吸こそが、沖縄という土地が数千年にわたって紡いできた生命のリアリティそのものなのだ。 (出典: 沖縄 の 花(Yahoo!ニュース))
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