ここ数年トレンドを牽引してきた「クワイエット・ラグジュアリー(控えめな贅沢)」の潮流が、2026年はさらに深みを増している。ド派手なロゴや過度な装飾で主張する時代は過ぎ去り、仕立ての良さや素材そのものが持つ質感で魅せるスタイルへと完全にシフトした。
その中心に浮上したのが、ベロア素材の再評価だ。中世ヨーロッパの貴族に愛された歴史を持つベロアは、光の角度によって刻々と表情を変える繊細な陰影が最大の魅力。特に今シーズンは、90年代のミニマリズムを彷彿とさせるストレートなシルエットや、クラシカルなキャミソールデザインが豊作だ。気取らないのにどこか色っぽい。そんな絶妙なバランスが、現代の街並みにしっくりと溶け込んでいる。