歴史の紐を解くと、このフレーズのルーツは古代日本の神道儀礼や神楽歌にたどり着く。「弥(いや)」は「いよいよ」「ますます」という程度を高める副詞であり、「栄(さか)」は「盛んになること」「繁栄」を意味する名詞だ。つまり、一瞬の成功を祝うだけでなく、未来に向けて永続的に発展し続けることを祈る、非常に肯定的なエネルギーを秘めた大和言葉なのである。
明治から昭和にかけては、公式な式典や祝賀会において「万歳」と並ぶ祝福の発声として広く使われていた。しかし、戦後の言語生活の簡略化に伴い、一般の日常生活からは徐々に姿を消し、神社関係者や一部の伝統芸能の世界にのみ残る「知る人ぞ知る言葉」へと収斂していった背景がある。