都市部での大規模な木材需要の跳ね上がりは、長らく停滞していた日本の地方林業に恩恵をもたらしている。戦後に植林され、収穫期を迎えながらも価格低迷で放置されていたスギやヒノキが、高付加価値な構造部材として適正価格で取引され始めた。
トレーサビリティシステムとブロックチェーン技術を組み合わせることで、都心ビルの柱一本一本が「どこの県のどの山林から出されたものか」が透明化されている。都市の開発資金が地方の植林や間伐費用へと直接循環するエコシステムが整い、山林の荒廃に起因する土砂災害のリスク低減や生物多様性の保全にも寄与するという、一石二鳥の波及効果を生み出している。