3歳という時期は、子どもの運動機能と認知機能が爆発的に伸びる黄金期だ。2歳までの「なぐる描き」から脱却し、丸や線を意図して描けるようになり、道具を使う手つきも急速に安定してくる。とりわけ6月は、進級や入園から2〜3ヶ月が経過し、園生活や集団のルールに少しずつ慣れて心に余裕が生まれるタイミングでもある。
「この時期の作品作りは、完成度の高さを求めるものではありません」と都内のベテラン保育士は語る。雨の日の室内活動において、手先を動かす触覚刺激は自律神経を安定させる効果もあるとされる。濡れたあじさいのシズル感、にじむ絵の具の面白さ、破いた折り紙の音。五感をフルに使って試行錯誤するプロセスそのものが、子どもの自己肯定感を根底から支えているのだ。