公式ルートでの指定席チケットが完売すると、SNS上では「譲渡」や「買取」を求める投稿が爆発的に増える。詐欺グループが狙うのは、まさにこの「どうしても行きたい」というファンの切実な心理だ。
X(旧Twitter)やInstagramなどで「急遽行けなくなったため、ペアチケットを定価でお譲りします」といった投稿を行い、ダイレクトメッセージ(DM)へと誘い込む。やり取りの中では、安心させるために実在する人物の身分証明書の画像や、偽造された発券完了画面を見せて信用させるのが常套手段となっている。
支払い方法として指定されるのは、後追いが難しいPayPayなどの個人間送金アプリや、デジタルギフトカード(Apple Gift CardやAmazonギフト券)、さらには暗号資産だ。「先払い」で送金させた途端、アカウントは削除されるかブロックされ、連絡が一切取れなくなる。送金履歴が残っていても、匿名性の高いアカウント相手では返金を求めることが極めて困難である。