バラエティ番組のロケ現場において、スタジオのマツコ・デラックスという強烈な存在感に対峙することは、プロのタレントにとっても容易ではない。しかし、彼女は怯むどころか、自身の人間性を包み隠さず前面に押し出した。そこにあったのは、型にはまったアナウンスメントではなく、生々しく血の通った「言葉のキャッチボール」だった。
予定調和を嫌うマツコが思わず身を乗り出し、ツッコミを入れざるを得なかった理由。それは、彼女が持っていた独特のユーモアと、自らを客観視する冷徹な視線にあった。画面を通して伝わってきたのは、台本に守られたアナウンサーではなく、一人の魅力的な人間としての熱量だったのだ。