1.5倍速動画鑑賞やAIによる情報要約など、時間をいかに節約するかという「タイパ(タイムパフォーマンス)」が追求し尽くされた結果、現代人が到達したのは猛烈な虚無感だった。「無駄を省いた先に何が残ったのか?」という問いが、2026年の東京を覆っている。
そこに颯爽と現れたのが、かつての町衆が重んじた「無用なこだわり」だ。理屈抜きに今目の前にある酒場での会話を楽しみ、損得勘定を抜きにして見知らぬ誰かと一杯交わす。タイムスケジュールに縛られないその場のノリとライブ感こそが、タイパ至上主義で干からびた現代人の心を急速に潤している。