大学野球日本代表の選考においては、時折「ドラフト上位候補の主力選手が選考合宿や代表入りを辞退する」というニュースが報じられます。ネット上では様々な憶測が飛び交うこともありますが、取材を通して浮かび上がるのは極めて合理的かつ構造的な理由です。
第一の理由は故障リスクの回避と投球過多の抑制です。大学選手権で連投した先発投手や、春季リーグ戦終盤で肩・肘に違和感を覚えた選手に対し、所属大学の監督やトレーナー陣が「将来のプロ入りを見据えて無理をさせない」というドクターストップに近い判断を下すケースが増加しました。昭和から平成初期に見られた「日の丸のためなら痛みを隠して投げる」という精神論は完全に過去のものとなり、医学的根拠に基づく選手保護が徹底されています。
第二の理由は秋季リーグ戦および進路決定に向けた個別調整です。秋のドラフト会議を控える最終学年の選手にとって、夏場に国際遠征(ヨーロッパ遠征や米国遠征)による疲労や時差ボケを抱えることは、秋季リーグ戦のパフォーマンス低下に直結しかねません。大学側の指導者と全日本大学野球連盟の間で綿密なコミュニケーションが取られており、決して不協和音による辞退ではなく、選手の選手生命を守るための合意形成が行われています。