日本においても、谷川俊太郎による見事な翻訳を通じて、この不条理な童謡は深く根を下ろしてきた。アニメやゲーム、ミステリー小説に至るまで、ハンプティ・ダンプティをモチーフにしたキャラクターやトリックは数知れない。
日本人がこの歌に惹きつけられるのは、単なる「かわいらしさ」の裏に潜む、どこか不気味でナンセンスな無常感があるからだろう。『アリス』の作中で彼は、「言葉の意味を決めるのは自分だ」と傲慢に言い放つ。この自己中心的な哲学者の一面と、直後に訪れる無惨な落破というコントラストが、今なお創作意欲を刺激してやまないのだ。