2026年、量子コンピュータの実用化が秒読み段階に入る中、従来のRSA暗号が解読される危険性が現実味を帯びてきた。RSA暗号は「巨大な整数の素因数分解が困難であること」を安全性の根拠としていたが、量子アルゴリズムを使えば瞬時に解かれてしまうからだ。
この危機を救う本命として世界中の標準化機関が採用を進めているのが「格子暗号(Lattice-based Cryptography)」である。高次元空間に並んだ整数の点(格子点)の中から、最も近い点を見つけ出すという数学的難問を利用している。量子コンピュータであっても解くことが極めて難しいこの整数のパズルが、未来の国家機密や金融取引を守る強固な盾となっている。