外食だけでなく、中食・内食市場における29日の熱気も凄まじい。特に「肉の専門店」をルーツに持つ新興勢力と、盤石のインフラを誇る流通巨頭の火花散る攻防は、消費者の財布の紐を大きく緩めさせている。
SNSや口コミで異次元の安さとして話題をさらい続けているのが、食品ディスカウントスーパー「ロピア」だ。同店の本領が最も発揮されるのが29日であり、新聞折り込みやチラシアプリで配信されるロピア肉の日特売チラシは、近隣住民にとって争奪戦の号砲となる。売り場を視察すると、名物の「みなもと牛」サーロインステーキや、1パック1キログラムを超える豚バラ肉・若鶏もも肉のメガパックが、通常相場を3〜4割下回るグラム単価で平積みされる。精肉売り場のチーフは「29日の精肉部門の売上は通常日の3倍近くに跳ね上がる。利益率は極限まで削っているが、肉を目当てに来店したお客様が野菜や調味料、惣菜を買い回ることで全体の採算を合わせている」と舞台裏を語る。
対する流通の絶対王者、イオンの展開も見事だ。全国の店舗網を活かしたイオン肉の日セール評判を調査すると、同社は毎月「肉の大市」を定例開催している。ロピアのような極端なメガ盛り一辺倒ではなく、自社ブランド「トップバリュ グリーンアイ」のオーガニックミートやタスマニアビーフといった高品質肉が10〜20%引きとなるほか、電子マネーWAONやイオンカード会員に対するボーナスポイント付与を手厚くしている。仕事帰りの夕方以降でも品切れを起こさない安定した供給力と、小分けパックの充実度は、単身世帯やシニア層から「無理なくお得に買える」と極めて高い評価を獲得している。
さらに近年、中食需要の定着に伴って存在感を増しているのが、ファストフードや惣菜専門店の肉の日テイクアウト割引情報だ。ケンタッキーフライドチキンが毎月28日に実施する「とりの日パック」に呼応するように、29日にはモスバーガーが限定パティを使った超巨大バーガーを発売したり、大手牛丼チェーンがテイクアウト限定の肉盛り増量キャンペーンを展開したりと、家庭の食卓をターゲットにしたテイクアウト市場の熱狂も過熱の一途をたどっている。