流山街道を語るうえで避けて通れないのが、江戸時代から白みりんの醸造で栄えた「流山宿」周辺の歴史的景観との調和だ。歴史的な土蔵や町家が立ち並ぶ旧道エリアは、道幅が狭く歩道も限られており、長年にわたって安全確保と景観保全、そして道路拡張の利害が激しく対立してきた。
2026年現在の流山市のアプローチは、単純な立ち退きや道路拡幅ではない。歴史建築物を数十センチ単位で曳家(ひきいえ)して歩道幅を確保しつつ、無電柱化を推進する「景観共生型リノベーション」だ。古い街並みの情緒を残したまま、車道と歩道を明確に分離する工事が着々と進む。観光客が散策しやすい石畳風のペーブメントも整備され、大型車がバイパスへ迂回するようになったことで、旧道にはゆったりとした時間が戻りつつある。